院長室からコラムをお届けいたします。



[8] 皮膚科シリーズ 第7回水虫

名前 : (匿名希望) : 2007/02/10 21:37:34
頭部白癬(シラクモ)について

シラクモは10歳以下の小児がほとんどで、成人例では高齢の女性に増加しています。白癬菌が髪の毛や髭に寄生して境界明瞭なカサカサのフケと脱毛を症状とするものと、白癬菌が毛穴の奥まで侵入し脱毛と皮膚の下に膿をもつものがあります(ケルズス禿瘡)。この場合、力を入れず軽く毛を引っぱってみただけで病巣部の毛が簡単に抜けます。頭部白癬では、菌が毛に寄生するので、経口抗真菌剤を2〜3ヶ月使います。塗り薬はあまり効きがよくありません。
ペットの猫に付いている菌(ミクロスポルム・カニス)が原因の場合が最も多いとされています。またレスリングや柔道選手の間で流行している菌(トリコフィトン・トンズランス)が原因菌として最近話題になりました。海外遠征先や国際試合などで外国人選手からうつるようです。この場合も、経口抗真菌剤を使います。

 

[7] 皮膚科シリーズ 第6回水虫

名前 : (匿名希望) : 2006/12/12 22:21:27
足白癬(みずむし)の治療法は?

基本的にはどの型でも塗り薬を使います。
趾間型や小水疱型で、じゅくじゅくが激しい場合、掻き過ぎによる二次感染や足が腫れ上がっている場合、塗り薬によるかぶれを併発している場合などでは、抗生剤、ステロイド剤などを併用して炎症部分を治してから水虫の治療をします。
軽症の場合や初期でも2〜3ヶ月間塗ることが必要です。そしてほとんどの場合、足底部や踵部は角質層が厚いため1〜2年間塗り続けることがお勧めです。角質増殖型は、塗り薬だけでの完治は難しく、踵を軟らかくする塗り薬や経口抗真菌剤が必要な場合があります。

 

[6] 皮膚科シリーズ 第5回水虫

名前 : (匿名希望) : 2006/12/12 22:19:21
足白癬(みずむし)にも種類があります。

水虫にも種類があり、趾間型、小水疱型、角質増殖型に分けられます。趾間型(テレビCMではなぜかこればかり)は、足指の間の皮膚がふやけたように白く濁ります。冬は症状がなくなり治ったように見えますが、夏になるとまた再発します。小水疱型は、足の裏や縁などに小さな水疱が出来ます。角質増殖型は、足底から踵(かかと)がカサカサしてひび割れします。お年寄りに多く痒みもないので水虫と思っていない場合が多く見られます。

 

[5] 皮膚科シリーズ 第4回水虫

名前 : (匿名希望) : 2006/12/12 22:19:47
水虫の飲み薬について。

水虫の飲み薬(経口抗真菌剤)には、
1.イトラコナゾール
2.テルビナフィン
の2つがあります。
これらは近年開発されたお薬でとても効果があります。それ以前のグリセオフルビンは数年間飲まなければならなかったことを考えると内服期間も短くてすみます。しかし血液検査が必要だったり、お薬が少々高いのが難点です。

 

[4] 皮膚科シリーズ 第3回水虫

名前 : (匿名希望) : 2006/11/01 00:39:47
水虫の検査・診断法は?

まずは皮膚科で水虫菌の検査(糸状菌検査)をしてもらいましょう。足の皮や濁った爪を少し削り取り、顕微鏡で見てみると5〜10分ほどで結果が分かります。検査の結果、水虫と診断されたらまずは塗り薬を使います。

水虫の塗り薬について

塗り薬(外用抗真菌剤)には、 クリーム、軟膏、液体などがあります。欧米ではペディキュアタイプのお薬も使われていますが、我が国での発売はもう少し先になるようです。 薬局で市販薬の水虫薬を使っている人も多いのですが、診断が間違っているとかえって悪化し、かぶれなどを起こします。正確な診断を下すことは、治療成功の鍵です。ご自分で「水虫だろう」と診断し、市販の水虫薬を塗ってむしろ悪化させている場合が多くあります。これは、水虫薬が悪いのではなくご自分の診断が間違っている場合がほとんどです。急に症状が悪くなる場合や、塗ってもなかなか治らないと感じたら、皮膚科医を受診して下さい。

 

[3] 皮膚科シリーズ 第2回水虫

名前 : 院長 : 2006/10/03 14:42:34
2.足以外にも・・・。

足以外にも、からだのどの部分に白癬菌が住み着いたかによって病名も、そしてその俗称もさまざまです。例えば、白癬菌が手に寄生すれば手白癬、頭に寄生すれば頭部白癬(シラクモ)、体に寄生すれば体部白癬(ゼニタムシ)、股に寄生するのが股部白癬(インキンタムシ)、爪に寄生した場合は爪白癬と言います。足から爪、爪からこれらの部分にうつることもあります。

 

[2] 皮膚科シリーズ 第1回水虫

名前 : 院長 : 2006/09/02 11:46:39
1.水虫という名前の由来

まず水虫と言う名称についてですが、これは俗称で、正式に足の水虫は「足白癬(はくせん)」といいます。これは白癬菌というカビの仲間が皮膚に住みついたために起こる感染症です。白癬菌は人や動物のケラチン蛋白を好んで栄養源とするカビの一種です。青カビがお餅に寄生するように、白癬菌はケラチンでできている皮膚はもちろんのこと、皮膚の一部である爪や髪の毛などに寄生して水虫などの病気を起こします。水虫と呼ばれるようになったのは江戸時代で、田んぼでの田植え仕事の後に足のゆびの間などにかゆいぶつぶつが出来ることから田んぼの水中に正体不明の虫がいて刺されている、と考えたからです。

 

[1] 紫外線に注意

名前 : 院長 : 2005/05/29 16:51:39
春から秋にかけて紫外線が強くなる季節です。
『散歩していただけなのに、数日前から顔が赤くなってきた。お化粧品は変えてないのに・・・。』という方は急激に増加した紫外線の攻撃にお肌が負けているのかも知れません。

日焼けを繰り返していると、シワが深くなり、シミやイボが増え、皮膚は薄くゴワゴワした手触りになって来ます。深刻な影響としては、紫外線によって細胞レベルでダメージが起こり、これが皮膚ガンの発生へとつながります。

では、対策はどうのようにしたらいいでしょう?紫外線からお肌を守る簡単な方法はUVカットなどと表示されている化粧品・日焼け止め剤を使うことです。海や山、スキー、ゴルフなどの時だけでなく、普段の生活でもまめに使うよう心掛けましょう。「ちょっとそこまで・・・」の買い物や洗濯物を干す時が実は肝心なのです。普段の生活では日焼け止め剤のSPFは20〜30で充分です。実際、日焼けにすごく敏感なオーストラリアでもSPF30+までしか販売されていません。